2013年4月18日木曜日

年金問題についてアマゾンで新刊を出しました

年金問題を知ろう。シワ寄せはサラリーマンという悲しい現実 (通勤の友シリーズ)



厚生年金基金制度を廃止する方向が決まりました。

健全な基金を除いて、厚生年金基金が預かって
運用してきた国の厚生年金相当額はすべてが
国に返還されます。

不足分の大半はいつのまにか減額返済という形で
巧妙に厚生年金にまぶされることになりました。
結局つけを厚生年金本体に回すという
いつものどんぶり処理です。

このように、問題があるたびに厚生官僚は
「物言わぬサラリーマン」を食い物にしてきました。

これでいよいよ問題は本丸の厚生年金本体へと移りました。

これまでサラリーマンの厚生年金がいかに食い物にされてきたか
知らないことには何も始まりません。


■対象とする読者
すべてのサラリーマン


■文字数
約3万字
読了想定時間 約1時間

2013年4月15日月曜日

営業特金と厚生年金基金

黒田緩和でバブルが来るのか来ないのか。
いい意味でも悪い意味でも、国民の関心は高まります。
ここにきて、タンス預金を株に移す人も増え始めているようです。
いくら日銀が銀行から国債を買い上げてもそれだけではバブルにはなりません。
バブル生成の2大要素をガルブレイスは「バブルの物語」でこう指摘しています。

①時代が収益及び価値が大幅に増大するような新局面に突入し、それが持続するとみんなが信じる
②投機のムードを察知する保守的な人たちも、投機が終わる前に手を引くことができると確信して上昇機運に便乗する

確かに①のムードは形成されつつあります。8割近い国民が支持をしています。ただ、実際に景気が良くなると思っている人はまだ過半数に達していないようでありますが。

80年代後半のバブルのけん引役はにわか仕立ての機関投資家と営業特金およびファントラです。何と言っても大手4社の営業特金の存在は非常に大きかったと思います。89年末には営業特金・ファントラの残高は43兆円まで増えていました。株が89年末に高値を付けたのも、年末に営業特金の廃止が決まったということが最大の理由でしょう。

今回は、この営業特金にあたるものはありません。機関投資家も分散投資が中心で、大して株のウエートを上げるとも考えられません。この辺の違いは頭に入れておく必要がありそうです。営業特金の原資も多くは金融機関からの借り入れによるものでした。製造業が「モノづくり」ではなく「金づくりに走ったわけです。「財テク」という言葉がもてはやされました。財テクをやらない企業の経営者は超保守的とまでみなされました。

しかし、そう考えると厚生年金基金の代行制度はちっとも不自然ではなかったのもうなずけます。厚生年金基金は、国が運用するはずの年金資産の一部を借りて、基金が持っている資産と合わせて運用する仕組みです。企業年金自身が持っている資金と厚生年金本体から借りている資金の比率はだいたい基金全体で2:8です。ということは、厚生年金基金は、もともと持っている資金の約5倍ものお金を運用しているということになります。

企業が銀行から融資をうけて財テクに走ったのはバブル期の話ですが、驚くことに厚生年金基金はいまだに、国からお金を借りて財テクを続けていたのです。

営業特金は多くの膿をだして90年初頭に清算されましたが、厚生年金基金はその後も生きながらえ、ようやく今回廃止が決まると思いきや、条件付きで存続が認められたわけです。

2013年4月10日水曜日

先送りの思考

 厚生年金の問題とAIJ事件を見ていると、自分が正しいと思い込んでしまうと、それを否定するような意見を受け入れるのは非常に難しいのだということに、改めて気づかされます。
 
 傍から見ると理解しがたいことですが、浅川被告は大真面目だったと思います。大真面目なだけに彼の主張はぶれません。しかし、客観的には、滑稽な姿にしか見えません。相変わらず、自分中心の考え方は改めることはできず、もう一度投資運用業をやりたいと漏らしているようです。あり得ない話ですが、彼には自分の姿がいまだに見えてないのでしょう。

 
 巨額の年金を消失させたAIJ浅川被告は、事件発覚後も運用利回りを水増し(粉飾)したことは認めても、決して騙したのではないとの主張を続けました。衆院の証人喚問でも繰り返された、「騙すつもりはない、良かれと思ってやった」の言葉。

 
 私は、おそらく彼の本心だろうと思っています。浅川被告の目標は、彼の言うように顧客を騙すことではなく、あくまでも厚生年金基金のために安定した運用利回りを提供することだったと思います。そのために、途中で運用がうまくいかなくても、「挽回できると信じた」架空の利回りを顧客に対して示し、営業を続けました。

 
 損失も取り返せると信じ、粉飾を続けた浅川被告と同じように、厚生官僚と御用学者は、国民のために「一生懸命」考え、「良かれと思って」粉飾を繰り返し、問題を「先送り」にしているのです。

 
 こうした先送り思考は何も彼らに限ったことではありません。日本全体に蔓延する国民病みたいなものです。悪いことに、やっている本人が大真面目な場合、問題は複雑さを増し、時間が経つに従って事態はとんでもないところまで行ってしまいます。