2012年11月25日日曜日

選挙の争点

金融緩和が選挙のひとつの争点になっているようだが、どうもいまひとつである。

金融緩和だけですべてが解決すると思っている節があるのでどうも気になるのだ。
通常の景気循環による不況ならば、金融緩和は効果がある。伝統的な経済学が得意な範疇だ。

ところが、現在のデフレ不況は通常状態ではない。
リチャードクー氏はそれをバランスシート不況といい、
海外では日本型デフレと呼んでみたり、
国内の若手論客は、バブル崩壊後のデフレと呼んだりしている。

アメリカは金融緩和で成功しているように見えるが、それはあくまでもドル安誘導で輸出主導の回復で時間稼ぎをやっているに過ぎない。ドルの信任が決定的に落ちないこと、さらに重要なことは、時間を稼ぐあいだに経済が自立回復する自信があってこそ成立する危険な作戦だ。要するに金融緩和で時間を稼いだあとのシナリオがなければうまくいかないということ。

金融緩和だけではそもそも効かない上に副作用の方がおおすぎる。アメリカと日本では先行きの読みが全く違うのだ。アメリカは今回の金融危機を引き起こした住宅バブルの後始末にしても人口の自然増でやがて解決するのだ。うらやましいけど、そういうこと。

現在の政治体制下では単に問題の先送りになりかねない。安易な金融緩和には大反対だ。需給ギャップを埋める方策をぜひとも示してもらいたい。いつまでも、世界最大の債権国という過去の貯金にあぐらをかいていてもしょうがない。