2013年6月30日日曜日

北海道の厚生年金基金理事長が収賄容疑で逮捕

この基金もAIJ被害基金である。
長野・福岡に続きまたもや基金の不祥事である。

意外にもAIJの贈収賄や横領は立件されなかったが、関係基金の摘発が続いている。
私の実感だが、AIJ周りの捜査は徹底的に行われたと思っている。
被害基金に対する、営業経過はすべて再現され裏付けはとったと思っている。

接待や贈答に関して、社長の浅川は徹底的に忌み嫌っていたというのは事実である。
そのような営業を情けないスタイルだとことあるごとにいっていた。

余罪が出て来ないことについては、意外感はない。

2013年6月24日月曜日

「年金詐欺」を読んで

年金詐欺 AIJ事件から始まった資産消失の「真犯人」

年金情報の編集長としてAIJを追い続けた著者ならではの視点と、年金情報として築き上げられたネットワークから上がる情報に基づいてつづられているだけに読み応えがある。

疑わしき段階で専門誌としてどう扱うか、著者の苦悩する姿が随所に現れる。

「騙しているわけではない」
「やむを得ない」
「一層懸命だ」
「資産を取り戻したい」
「破綻するはずがない」

浅川被告が語るフレーズは主語をそのまま、年金、厚生年金基金、国家財政、そしてそれらをつかさどる官僚、政治家、年金基金関係者に置き換えても通用してしまう。

受益者や国民もなんとなく問題を見て見ぬふりをする。

現在の日本が抱える問題の一端が浅川という人間によって表に出た。

しかし、浅川の犯行は免責されるものではない。
求刑や判決が甘いものになることは決して許されない。
それは、あえて言いたい。

同じような問題に対しても我々は見て見ぬふりを続けるのではなく、解決策を模索していかなければならない。改めて強く感じた。




2013年6月22日土曜日

盛り上がらない社会保障年金問題

年金詐欺事件から約1年が経過。

浅川被告の判決が近日中に出るのではないかといわれておりますが、これで何かが大きく変わる気配もありません。
単なる1つの金融詐欺事件として終わるのでしょうか。

年金情報の編集長が
年金詐欺 AIJ事件から始まった資産消失の「真犯人」
を出版して、問題提起をされていますが、いまひとつ反応はよくないようです。

年金問題は本当に悩ましい問題です。
より少なくなる労働人口層が高年齢者を支えるわけですから、つじつまがあわなくなって当たり前です。

当たり前のことをいまさら騒いでもしてもしょうがないというあきらめの気持ちが強いのかもしれません。解決策といえば、インフレか、高成長の復活しかありませんが、その少ない可能性に賭けているということかもしれません。

なにやら、とってもいごこちのよくない均衡状態です。


2013年6月15日土曜日

成長戦略うんぬんの前に

成長戦略に新味がないのは、今に始まったことではありません。

時の政権は常に成長を目標にしますから、特別に変わったことが突然でてくることは少ないわけです。

今回も、政府自民党はあらかじめ「実行力が違う」と伏線を張っていました。

ところで、そもそも論として高成長が必要なのか?
何を成長の尺度にするのか?

という基本的な議論が抜けているような気がしてならないのです。

成長すれば、それはみんなハッピーには違いありません。
痛みを伴う負担は先送りができ、うまくすれば何もせず解消できるかもしれません。

政治家的には
成長を政策の大目標に掲げ、
目先の自分の政治生命が守れれば安泰です。

官僚も政治家が腹を決めない限り低成長を前提にした政策案を考えることはできません。

低成長だと何がまずいのでしょうか?
少なくともこれまでの借金は返せません。
みんなで分担するしかありません。
急激に生活が良くなることはありません。

あとほかに、まずいことは何かあるのでしょうか?
そしてそれは、本当にまずいことなのでしょうか?

逆説的ですが、
高成長をあきらめ低成長に合わせた仕組みを作ることが、
高成長へのスタート台になるような気がしてならないのです。

少なくとも、低成長を政策に打ち出す政党が現れその是非を真剣に議論することが今こそ必要な気がしています。

アベノミクスの是非をめぐる議論の前にすべきことではないかと思います。

前回の選挙では、民主党政権の全否定に紛れてその辺がなんとなくあいまいになっているような気がします。
国民も危うさを伴う成長戦略には必ずしも手放しで賛成ではないと思います。


2013年6月14日金曜日

民主党ははっきりと対立軸をだしたらどうだ

煮え切らない政党をいつまでも続けるのではなく、
はっきりとした対立軸を打ち出したらどうなんだろうか。

政策によって是々非々といっている場合ではないだろう。

たとえば自民党に対抗して「低成長戦略」というのはどうだろう。

背のたけにあった成長をめざし、インフラや制度、仕組みもそれにそって大胆に組み替えていくもの。

バラ色のシナリオにはならないが、とことん現実論戦を追求するというのもありかと思う。

もちろん、共産党とも社民党とも違う考え方で

でも、やっぱり民衆党には無理な注文か。


2013年6月12日水曜日

インフレターゲット

インフレを2年以内に2%に何が何でもする。
という考え方は本当に正しいのだろうか?

正しさの根拠は


  • アメリカが量的緩和で成功している
  • 各国がインフレターゲットを採用している


の2つしかない。

しかし、どの国も2%のインフレを作るとは言っていない。

緩和しすぎてインフレになったら困るので、2%を政策変更のターゲットにしているに過ぎない。
ターゲットの意味が違う。
覚悟とか気合の象徴として2%という数字を使っているなら、それはかまわないけど、それを本当に目標にするというのことでいいのだろうか。

市場がはっきりと拒否反応を示しているのではないだろうか。


日本のデフレにしても金融緩和が足りなかったとする理屈も今一つ説得力がない。

結果として起こるインフレをターゲットにする考え方はどこかがおかしい。

金融政策を前面に出す政策はやはり何かがおかしい。

リフレですべてが解決するという考え方にはとうてい賛成できそうもない。

2013年6月11日火曜日

どこへ向かう日本丸

安倍船長と黒田水先案内人。
船出は華々しかったわりにはここにきてのあわてぶりは心もとない。
長い船旅なのに、本当に大丈夫なのだろうか?
想定内といいたいところかもしれないが、それにしてはドタバタが過ぎる。

安易に考えていたとしたら余りにも情けないのだが。
成功を信じるのもいいが、いろいろなリスク要因は想定しておいていただかないと。
この難局はこれから先もますます難易度を増すだろうし。


やはり過度に金融政策に頼りすぎていたことが裏目に出ていることは間違いない。
早めに頭の切り替えを行うべきだと思う。
参院選での勝利で完全な議会運営を手にしてから難しい課題を先送りしていたこともある。

楽な道を歩めるはずはないんだから、先手先手を取って動くしかないのにどうも小首を傾げたくもなる。首相は懸命にやっているように見えるのだが...

とにかく、支持率があるうちに痛みのある改革に手を付けておかないと、いったいいつ手をつけられるのか。

日本丸の前途はかなり厳しくなったと思う。
なんとか立て直して欲しいと願う。


2013年6月7日金曜日

3本の矢ではなく1本の矢

成長戦略が市場に受け入れられない原因は

ゴマカシ感と先送り感が目立つからではないでしょうか。

参議院選までは安全運転で行きたい。
そういう目論見かも知れませんが、選挙が終われば終わったで、果たしてそれは変わるのか?

それに対して市場が厳しい目を向けているのではないかと思います。

3本の矢という言い方もそろそろ卒業して、1本の矢にまとめるべきではないでしょうか。そもそも金融政策は日銀の責任なのですから。

すべてが、痛みなしでうまくいくなどムリなことは国民も理解しているはずです。
バズーカのインパクトははげましたが、金融緩和はまだ効いていますし、これからもまだ効くでしょう。

政治の真価が問われる局面ですが、いかがでしょうか。

2013年6月6日木曜日

冷徹な市場

4月4日に黒田バズーカが発射されて急伸した株式市場もそのほとんどの上昇分が剥げ落ちてしまった。

金融政策に対する過度な期待が早めに修正されただけでも良しとすべきではなかろうか。
これまで、金融政策への依存度が高すぎると思われてきたが、成長戦略が明らかになるにつれそれが現実のものになったという感じかもしれない。

どうひいきめに見ても
黒田バズーカに比べて成長戦略のインパクトのなさは否めない。
10年後に所得150万円がむなしく響く。

目新しさはないかわりに実行力が違うと伏線を張ってはいたものの
改めてそのとおりだと、失望感は大きい。

さすがに「期待」の金融政策、「気合」と実行力の成長戦略のコンビでは力弱すぎる。

もともと狭かったスルーパスの通り道がますます狭くなってしまった。

次元の違う部分はすでに殆ど剥げてしまったのだから、
いまさらあんまりこだわる必要もないはずだ。
ここは早め軌道修正をしたほうがいいと思う。


金利が上がらない金融政策に軌道修正するということ。
つまり残存長期の国債の買い入れをやめる代わりに十分な資金供給をする。
そのためには意味のない物価目標はやめるということ。


金融政策の下支え効果と、時間を稼ぐ効果は引き続きあるはずで、これを大事に政策へとつなげてほしい。

2013年6月1日土曜日

詐欺にはいろいろあれど

事業が失敗して、それをごまかしながら営業を続ければ最終的には詐欺になってしまいますが、先送りとごまかしの線引きは非常にあいまいです。

特に財務諸表の操作は、グレーなものまで含めると、詐欺となる寸前のものはごまんとあると思われます。

安愚楽牧場もやはり最初から詐欺だったわけではないとように思えます。
しかし、ある一線を越えた時点で、明確に詐欺になってしまったのでしょう。

その一線とは事業が継続できなくなって陥る自転車操業ということなんでしょう。経営者はすくなくともこの時点でギブアップしなければなりません。

この一線を越えてしまった結果は厳罰にすることしかないと思います。
そう考えると、日本の詐欺罪に対する刑罰はまだ軽いように思えます。

ここのところ、ネットや電話を利用した不特定多数爆撃型の詐欺が増えているようです。
つぎから次へとあきれるほど新種が登場してきます。

自分のところへも、メールを開けさせようとして本物そっくりのタイトルが手を替え品を替え送られてきます。

そんなものにひかっかるはずはないと思っても、ある一定の確率で騙される人は出るようです。
詐欺軍団は、その確率を信じて、とにかく数を打つ、数を打つための名簿やアドレスを手に入れるということがポイントになっているようです。

この詐欺のエネルギーをもう少し生産的なものに向ければ、景気浮揚にも役に立つと思うんですが、こういう輩のすそのが広いことが、景気不振のひとつの側面なのかも知れません。