2013年6月24日月曜日

「年金詐欺」を読んで

年金詐欺 AIJ事件から始まった資産消失の「真犯人」

年金情報の編集長としてAIJを追い続けた著者ならではの視点と、年金情報として築き上げられたネットワークから上がる情報に基づいてつづられているだけに読み応えがある。

疑わしき段階で専門誌としてどう扱うか、著者の苦悩する姿が随所に現れる。

「騙しているわけではない」
「やむを得ない」
「一層懸命だ」
「資産を取り戻したい」
「破綻するはずがない」

浅川被告が語るフレーズは主語をそのまま、年金、厚生年金基金、国家財政、そしてそれらをつかさどる官僚、政治家、年金基金関係者に置き換えても通用してしまう。

受益者や国民もなんとなく問題を見て見ぬふりをする。

現在の日本が抱える問題の一端が浅川という人間によって表に出た。

しかし、浅川の犯行は免責されるものではない。
求刑や判決が甘いものになることは決して許されない。
それは、あえて言いたい。

同じような問題に対しても我々は見て見ぬふりを続けるのではなく、解決策を模索していかなければならない。改めて強く感じた。