2013年2月11日月曜日

ブラックスワン

確率的には生起しないと考えられるが、発生すると壊滅的な被害がおこるものをニコラス・タレブはブラックスワンとよんだ。ハイパーインフレもブラックスワンたりうる条件を備えているだろう。

タレブは自信のことをを「懐疑的経験主義者」と称している。

経験的観測からは「稀な事象が必ず発生する確率」は計算できないという。もちろん科学的知識が通常は役に立つことは認めている。タレブは、我々人間が不都合な結果を考えず、物事にだまされやすいと主張する。さらに、科学者も経済学者も政治家も現在の事象を理解しているという幻想の犠牲者だと信じている。

こうした生起確率の低い事象をテールリスクというが、それはオプションモデルのディープアウトオブザマネーのリスクを定量化できないということである。

リフレ政策はまさにこの「ブラックスワン的なオプション」を売る戦略にほかならない。
わずかなリターンの見返りに壊滅的なリスクを抱えているということだ。

ややこしいのは、反リフレ派がたとえブラックスワンの到来を防げたとしても、それが彼らの成果だとはだれも認めないことだ。反リフレ派はあきらかに歩が悪い。悲観論者として批判の矢面に立つ。やがて根負けしてひとりふたりと地下に潜っていく。