2013年2月17日日曜日

アベノミクス4本目の矢

3本の矢はどれも耳触りのいいことばかりだ
期待感で市場は素直に反応し
国民心理もいい方向へ改善している
最初にできるだけ下駄をはかせてしまおうという戦略は順調に進んでいる
G20で通貨安競争の懸念が指摘されたが、具体的には表面化はしなかった
新興国を刺激しないぎりぎりの範囲で大人の対応をするしかないのだろう

どこかで、財政の制約を考える必要があるのだが、現時点ではそれをにおわすとせっかくの勢いをそぐことになる
一切言及しないのも作戦のうちというのもわかる

しかし、4本目の矢であるべき年金・医療の社会保障改革をいつ、どのように放つかが問われることは間違いない
自民党は参議院選の争点にはしたくないだろう

理想的には、3本の矢で経済成長を取り戻した後にということだが
残念ながら、理想通りに楽な相撲は取らせてはもらえないだろう
金融緩和に支えられた微妙な景気回復が続く可能性が高い
消費税増税のハードルはなんとか越えられるかもしれないが、明確に4本目の矢を放つタイミングは到来しないであろう

そうなった場合、期待を高めて問題を先送りした分だけ、あとで苦しむことになる

結局、先に苦しむか後に苦しむかという問題に過ぎないのだろう

ただ、先に苦しむシナリオを取る場合、成熟債権国家として低成長を受け入れ、それにそった大改造が必要だということになる
世論もそう簡単にはまとまらないだろう

政治的には難しい選択ではあるが、野党はこの路線に狙いを定めるしかないのではなかろうか