2012年12月12日水曜日

長期連載 日本の政策はなぜ迷走するのか ⑤

政治家が金融政策を持ち出す理由は割と単純だ。金融緩和には少なくとも延命効果はある。すべてが好連鎖すれば、まさかの景気回復もおこるかもしれない。しかも、予算を組む必要もない。
目先国民に痛みを強要しない政策は、政治家にとっては非常に好都合なのだ。
しかし、金融政策のいい面悪い面を真剣に考えている議員は少ないだろう。本当はセットになっている国土強靭化計画の方がよりポイントのはずだが、これについてはいささか歯切れが悪い。財政出動には将来のつけという影がちらつくから、へたに踏み込めないのだ。利権だのバラマキだの言われて票が逃げてはたまらない。最初は、建設国債の日銀引き受けというかなりのビンボールまで投げたが、さすがに、トーンダウンした。
結局、効果の疑わしい金融政策を全面に出して、名目成長3パーセントという目標だけを語る。なぜ、3パーセントなのかもいまだに不明だ。どうせなら年金が前提にする予定利率の4・1パーセントにしても良さそうだが、それだと嘘臭すぎるとでも考えるのだろうか。とっても不思議で微妙な3パーセントである。