2012年12月13日木曜日

長期連載 なぜ日本の政策は迷走するのか ⑥

もともと、背伸びして成長したのだ。そのときの考え方、仕組みがいまだに頭のどこかにある。問題があっても、先延ばしすれば、またいい時代がくると願う。たとえ可能性が低かろうと、それを先頭きってやっているのが、政治家なのだ。また、国民もうすうす無理だとは感じながら、そんな政治家を選んでしまう。結局その繰り返しを今回もしてしまうのだろう。
自民党にはもう少し野党でいてほしかった。中途半端な復権は、またまた問題を先送りにしてしまう。「取り戻す」という考え方がすべてを象徴する。
今、まじめに日本を動かそうとすれば、耳障りのいい政策になるはずはない。
相変わらず右肩上がりの経済成長を作文し、それを前提にして、分配の幻想をバラまくことで当選する。
国民も何事につけ、抜本的な対策、解決、白黒をつけることを避けたがる。不良債権を先送り、表面化を嫌って粉飾に手を染め、財政問題を先送る、こうした数々のゴマカシを暗黙のうちに後押ししてきた。自業自得。
逆説的だが、経済成長を諦めることこそが、本当の意味での経済成長のスタートになる。経済成長を前提とした過去のしがらみを捨てることこそ、遠回りに見えるが、結局近道なのだ。残された時間はそう長くはない。

過去のしがらみの多くは官僚たちの支配下にある。