2012年12月15日土曜日

長期連載 なぜ日本の政策は迷走するのか ⑦

ここまで書いてくると、行政を司るはずの官僚、法律を立案制定するはずの国会議員、主権者であるはずの国民それぞれが、あいまいに依存し合っている構図がなんとなく見えてくる。この相互依存のもたれあい構図は40年にわたるしがらみの中で複雑に形成されてきたものだ。口先だけの約束事や動かしやすい何か一つを変えただけでは、微動だにしないほど頑強なものになってしまった。現に民主党のチャレンジはあえなく玉砕した。これを解き放つには、今までにない強烈な刺激が必要なのだ。口に優しい偽薬を飲んで延命だけしていると、だんだん麻痺して本当に効くはずの劇薬すら効かなくなってくる。
こうした問題を紐解いていくのが、この連載のチャレンジである。これから書いていくことは、現時点で大まかにはイメージできてはいるが、現在進行中の現実に即してスライスするかもしれない。また、途中で思考が交錯しアップが遅れるれるかもしれない。それはお許し下さい。
ただ、一つ言えることは「通常時に有効な財政政策や金融政策だけでは新たな付加価値を生み出すことはない」という大原則である。このことを国民、政治家、官僚が本当の意味で理解すれば、それぞれがやるべきことは次第にはっきりしてくるはずである。
このあとシリーズは「経済とはなんだ編」「三主体(国民、政治家、官僚)それぞれの問題編」に分かれていく。