2012年12月7日金曜日

長期連載 なぜ日本の政策は迷走するのか②

20年を超えた日本の景気低迷。一向に出口は見えない。最初の10数年は80年代後半のバブルのつけ払いが最大の要因だ。メガバンク再編・公的資金の投入で不良債権はなんとか一掃した。

小泉政権下において一時的に景気は回復したかに見えた。これは、2000年に破裂したITバブルと911テロで傷ついた米国経済を立て直すためにFRBが徹底した金融緩和を行った成果だった。米国主導の経済成長が世界景気を牽引し、そのおこぼれを日本は頂戴した。小泉政権は、構造改革を旗印にし規制緩和に取り組んだ。実際の成果はともかくとして、アメリカが牽引する世界経済のパイの拡大と円安傾向が輸出企業を元気づけた。さらに、規制緩和構造改革路線が金融市場に支持され株高がしばらく続いた。

しかし、この裏で確実に少子高齢化という潜在成長率低下の最大要因は確実に進行していた。骨太の方針を打ち出しては見たが今ひとつ踏み込めなかった。運用不振に喘いでいた年金運用も一息きついて油断した。

そこにリーマンショックが直撃した。牽引役の米国がこけたのだから、ひとたまりもない。もともとバブルのつけをバブルで払っていたのだからそのマグニチュードは果てしない。一時は100年に1度の危機と言われた。他力本願だった日本経済は完全にはしごを外された。財政構造改革も油断していたので、抜本的なメスは入れられていない。景気刺激をやりたくても財政赤字が気になって、お茶濁し程度しかできない。最たるものが麻生政権末期の「定額給付金」だ。支給コストに1000億円近くもかけたわりにその効果はまったくもって不透明だった。