2013年3月3日日曜日

金融政策に一石

池尾和人氏のコメント引用
「予想インフレ率を高められるかどうかの核心は、「わざわざ物価水準を高くする必要がなく、望ましくなくても、将来貨幣供給量を増やすに違いないと信用される」こと(credible irresponsibility)は可能かどうかである」

「必要がなく、望ましくないことを将来やると約束して信用してもらうことは、真面目な人や物が分かっている人には、とても無理な話である。例えば、白川日銀現総裁が、将来無責任な行動をとると言っても、誰も信用しない。白川氏であれば、責任ある行動をとるに決まっているからである。それゆえ、クルーグマンの議論は、論理的には筋が通っているが、実践的には有効な提案ではないと私などは考えてきた」

「しかし、物を分かっていなかったり、間違ったことをかたくなに信じ込んでしまっている人が権限のある立場に着けば、credible irresponsibilityが可能になるのかもしれない」
以上

同感するところが多い。
非伝統的金融政策は市場との「騙しあい」の側面が強い。しかし、道理をわかったうえで騙すのと、本当に信じ切って騙すのでは、シナリオが狂った時の対応が違ってくる。
そういう点で、私は少し不安を感じる。
もちろん白川総裁は道理がわかったうえで騙すことができなかった人ということになる。