2013年3月8日金曜日

日経平均リーマン前水準回復

日経平均がようやくリーマン前の水準を回復した。

100年に1度とも言われた危機を起こした張本人であるアメリカ。日本をしり目にNYダウは史上最高値を更新した。

日米で、何が同じで何が違うのだろうか。

まずアメリカはリーマンショック後、長きにわたりQEと呼ばれる金融緩和を続けてきた。バーナンキは議会証言や定例会見において、独特の間合いを取りながら市場と慎重に対話を続けてきた。この点は手首の固かった日銀とは大きく違うだろう。
また、金融緩和を受けて進んだドル安は、オバマ大統領の掲げる輸出倍増計画との親和性が高かった。通貨安で大手輸出企業の業績改善を狙う点は日米ともに同じだ。

しかし、何と言っても大きい違いは、危機の発火点であった住宅市場の底打ち傾向であろう。アメリカは毎年200万人以上の人口増加という強い味方がいる。住宅に対する潜在需要は常に存在している。住宅価格は2000年以前からのインフレ調整したトレンドにすでに戻っている。

アメリカは企業業績は好調だが、雇用の回復は依然緩慢だ。本日発表の雇用統計においても改善傾向は示されるであろうが劇的なものではなかろう。

企業業績の好調さとは裏腹に、企業の雇用に対する慎重姿勢はまだ大きく変化していないのだろう。グローバルな競争が激化する中で、コスト競争力を維持するために労働者にはぎりぎりの負担が求められる構造は日米同じ。消費につながる雇用の改善や給与増が何と言っても大きなカギだ。

さて、ここ数日の日本の株価上昇はアベノミクス効果というよりはアメリカに牽引されたと考えたほうがいいだろう。円安も独自要因というよりはドル高効果が強い。

アメリカにだいぶ下駄をはかせてもらったので、必要な改革にも手を広げるチャンスが広がったのではなかろうか。