2013年3月6日水曜日

期待に働きかける政策

日銀は黒田新体制のもと、量的金融緩和によって期待に働きかけ、デフレ脱却を目指す。

リフレとは意図的にミニバブルを起こそうということにほかならず、それだけを目的にするなら主導者は昔のバブル紳士のように大雑把で大胆なほうががいいのかもしれない。

白川総裁につとまらなかったのは無理もなかろう。黒田総裁ならきっとその任に堪えると政府は判断したのだろう。

ところで期待という言葉を聞くとQレシオというのを思い出す。

バブルの最終局面、ファンダメンタルで評価するのが難しくなった株価を理屈づけするためにあみ出された指標である。浜田教授の恩師トービンのQから由来している。

PBRが貸借対照表の資産価格に基づくのに対し、Qレシオは資産の含み益まで考慮に入れた指標である。たぶんに恣意性が働き、時価を使うだけでは間尺に合わず、そのうち土地開発完了後の資産の値上がり期待をカウントしたものまで飛び出した。

相当怪しげな指標ではあったが、買うから上がる上がるから買うというバブルのさなか、誰もあまり細かいことは気にしなかった。

期待に働きかけるということに対しては、やはり危うさを感じざるを得ない。