2013年3月4日月曜日

金融政策談義

金融政策の効果を巡る論争は、相変わらずさかんで収束の糸口が見えない。

経済学的に決着させようとするからきりがないのであって、実はこの論争は単なる談義なのかもしれない。

つまり、「期待インフレ率が金融政策によって変わるかどうか」ということなら経済学的な色彩が強いが、実態は「期待インフレ率を上げるために前例のない量的緩和をちらつかせる」ことが効くかどうかを茶の間で言い合っているに過ぎない。

賛成派は有効かつ副作用もほとんどないと言う。反対派はひょっとしたら効くかもしれないが、副作用が大きすぎておすすめできないという。しかし、もしちらつかせるだけなら副作用は出ようがない。

実際に効くかどうかは合成された心理的な要素が非常に大きいと思われ、大前研一氏が主張するような心理経済学という範疇に入ってくるのではないか。

そうすると、委縮してしまった日本国民の心理を改善する政策が必要だということだ。金融政策だけが前面に出ているが、ほかにも財布のひもに働きかける方策はありそうな気もする。心理を操作する作戦だから、駆け引きが重要であって、政策当局は真意を説明しないということが局面によっては重要だ。今はそういう局面?

そこまで考えているのだとしたら反対派もかなり納得するのではないか。ただ、真意を説明しないからこそ効くのであって、真意がわからないから反対論議は収束しないというジレンマもある。